1nmサイズで記録を保持できる「籠型単分子」でコンピュータアーキテクチャに革新をもたらす

国立大学法人 広島大学

プロジェクト内容

西原禎文教授

コンピュータの消費電力は増大しており、2025年には世界全体の10%の電力をAIデータセンターが占めるとも言われています。消費電力増大の理由は、コンピュータのプロセッサとメモリが分かれており、バスという通り道を通じでデータがやりとりされているためです。そこでプロセッサとメモリを一体化した「インメモリコンピューティング」が提唱されており、不揮発性・高密度・高速度の三拍子そろったメモリの実現が、世界のエネルギー消費電力の削減につながります。

広島大学では、プレイスラー型ポリオキソメタレートという1ナノメートルサイズの籠型形状の単分子がメモリ効果を示すことを世界で初めて発見しました。この籠型分子は、不揮発性・高密度・高速度の三拍子そろったメモリ材料となるポテンシャルを秘めています。広島大学はSTARTプログラムにおいて、事業プロモーターであるユニバーサルマテリアルズインキュベーターと共に、この籠型分子を用いた不揮発性メモリの開発を進めています。