世界でオンリーワンの「イオン伝導体リチウム分離法」でリチウム回収に挑戦

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

プロジェクト内容

星野毅​上席研究員

近年、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、一部のハイブリッド自動車(HV)の駆動用電池として必須な、大型リチウムイオン電池の市場が急拡大しており、リチウムイオン電池市場の拡大に合わせ、その原料となるリチウム需要も拡大しております。旺盛な需要に合わせ、リチウム資源の獲得の為に海外では多くの資源開発プロジェクトが進んでおり、塩湖のかん水からの精製によるリチウム回収が一般的です。この回収方法はかん水の蒸発に1~1.5年もかかり、薬剤も大量に投入する必要があるため、時間・コストがかかることが課題です。リチウムの安定供給のために、より短期間かつ安価にリチウムを回収することが可能な工業化技術の出現が期待されております。

量子科学技術研究開発機構は、STARTにおいて事業プロモーターであるユニバーサルマテリアルズインキュベーターと共に、短期間かつ安価なリチウム回収の事業化を目指して、溶液からリチウムのみを選択的に回収する「イオン伝導体リチウム分離法」(LiSMIC)という世界でもOnly1技術の実用化研究を進めております。