UMI インタビュー

民間投資の経験を、
これからの科学技術政策づくりに活かしたい

アソシエイト

坂元亮介

民間投資経験の必要性を感じて出向を選択

UMIに出向する前は、文部科学省で、ナノテクノロジー・物質・材料分野の政策検討、新規事業の企画・立ち上げなどに従事していました。技術や市場動向の把握、課題への落とし込み、事業設計、予算獲得といった多岐に渡る力が求められ、時には自分の力不足を感じる場面もありました。近年多様化するニーズ、増加見込みの小さい予算、EBPM(Evidence-based Policy Making)への注目など、政策の在り方にも変化が求められています。業務を行う中で、民間投資の視点を持つことは、未来への長期投資である科学技術政策に関わる自分にとって必要なことではないかと考えるようになりました。省内に民間企業へ出向する官民交流制度があったので志願し、出向に至りました。

国内外の投資業務を通じて、チーム力の重要性を実感

UMIでは、社会実装支援を念頭に、スタートアップやアカデミアシーズといった投資候補案件のソーシング業務を担当しています。見つけた候補先について、論文、特許、市場動向に基づく調査やファイナンス、契約等の法務知識などをフル動員して投資検討を行います。また、国内だけではなく海外案件にも関わっています。特に2019年11月からイスラエル・ヘブライ大学の技術移転機関であるYissumと戦略提携し、ヘブライ大学のシーズと日本企業の連携によるオープンイノベーション実現に向けた取組にも携わっています。

UMIでの業務を通じて、素材・化学分野におけるベンチャーの事業化は、決して一つのコア技術だけでは達成できないと実感しました。技術を理解しつつも、不足する部分を補完していくチーム力の重要性を感じています。今後は自分自身の力を更に磨いて、投資業務だけでなく、その先のハンズオン支援にも関わることで、投資先企業の成長に貢献していきたいと思います。

UMI だからこその経験を将来の社会づくりへ

UMIに出向して、必要とされる知識量にまず驚きました。投資候補先の事業領域だけではなく、これまで無縁だった、特許、市場分析、ファイナンス、会計、法務など様々な知識が求められます。英語でのビジネスコミュニケーションには苦戦しながらも、日々鍛えられています。

UMIには金融、コンサル、事業会社出身の方や専門職の方など多様なバックグラウンドを持つ人が集まっているため、分からないことを補完しあえる環境があります。学びが多く、刺激にもなりますし、一人では達成できない多くのことを吸収できる場所だと感じています。

出向から戻った際には、UMIで培った投資家としての知見・経験を活かし、シーズが社会実装につながる環境づくりに貢献していきたいと考えています。特に本業務を通じて改めて多様なシーズが生まれる環境づくりの重要性を認識しました。なぜなら、今後アカデミア発のスタートアップが更にたくさん生まれ、エコシステムが活性化するためには、そのベースとなる光るシーズが豊富になければ始まらないと実感したからです。民間・投資の観点から技術シーズを社会実装に繋ぐVCでの業務経験を、今後の自分の強みに変えていきたいと思います。他業界に飛び込んだからこその経験を活かし、アカデミアがより活躍できる社会づくりに貢献していきたいと考えています。

(*本内容は2020年7月掲載時点での情報です。)