微細藻類の設計技術を通じた商品展開により、世界中の人々の健康寿命を伸ばす

SoPros株式会社

事業内容

独自菌株の設計及び生産効率の最適化を行う微細藻類技術を有した筑波大学発ベンチャーです。
独自菌株をプラットフォームに、食品・ヘルスケア等の多分野で製品を開発。量産化実証検証、本格的な事業化ステージに向けたインキュベーションを推進中です。

マネジメントインタビュー

渡邉信
創業者・相談役
池水昭一
代表取締役

藻類事業化への想いと設立経緯について(渡邉相談役)

渡邉教授(創業者・相談役)

大学院の生物学科において藻類に出会い関心を持ち始めました。約130億年前に元始的な藻類が誕生したことにより、酸素ができ二酸化炭素しかなかった時代に水中に溶け込んでいた金属類が酸素と結びつき鉱石ができ堆積していきました。後にこれを人間が発見し鉄文明の誕生となりました。藻類の誕生がなければ鉄文明の誕生はなく、近代の石油中心のエネルギー革命や化学産業の革命は、実は藻類誕生のお陰であるとも言えるのです。藻類にはサイエンスの観点からも非常に多くの研究課題があり、まだ我々が見知らぬポテンシャルがあるはずだと考えられ、持続的発展が可能な社会形成に役立てていこうと思い研究を続けてきました。

こうした研究を社会に還元するためには産学官連携の取れる体制を作らなければならないと考え2014年に筑波大学発のベンチャーとなる藻バイオテクノロジーズ社を設立しました。設立後は、日米のパートナー機関との事業上の調整や資金繰りで大変苦労した事が印象に残っています。
そして、事業化加速に向けてUMIと議論を進める中で、産業へのインパクトを与える期待が大きいDHA事業への集中と体制刷新のため、藻バイオ社からの分社化手法を用いてSoProsを設立しました。

今後の事業展開(池水代表取締役)

代表取締役 池水昭一

弊社のビジョンは、「微細藻類の設計技術を通じた商品展開により、世界中の人々の健康寿命を伸ばす」です。筑波大学・渡邉信研究室のコア技術である有用株・成分のスクリーニング技術、遺伝子情報や酵素反応経路の特定能力、有用成分産生藻類の大量培養技術、を基に、①高効率オーランチオキトリウム独自株、②独自培養条件、③安価生産プロセス、を強みとして事業推進を行っています。

当面のターゲット市場は健康食品市場と定めています。健康食品としてのDHA市場は既に多くのプレーヤーがいますが、藻類(植物由来)の特性を活かして魚油由来DHAの難点(天然資源依存など)を克服し、海外向けを含めて健康志向の方々にアピールして参ります。また、独自菌株の設計改良を通じて、DHA以外にも幅広い独自性の高い多価不飽和脂肪酸(PUFA)の商品ラインアップを開発していく計画です。

事業ステージとしては、現状はまだ開発段階にありますが、数年後には量産プラントでの培養を企図しており、その実証プロセスのエンジニアリングや商品サンプル供給を進めて参ります。マーケティング面では藻類由来の商品認知度を高める事も重要な目標です。

長期的な目標となりますが、藻類による有用物質生産を通して地球環境への負荷が低い「バイオエコノミー」に合致する事業活動を進め、サスティナビリティの向上への貢献を目指して参ります。

UMI担当者コメント

当社はまだスタートアップであるため、取締役会その他経営会議体の運営、及び経営方針の立案・遂行等のハンズオンサポートに従事しています。
微細藻類は様々な有用物質を生み出していく事の出来る大変有望な分野です。SoProsは独自菌株をプラットフォームに様々な有用成分を抽出し、食品・ヘルスケア等の多分野で展開することを狙っています。世界中の人々の健康寿命を伸ばす製品展開を期待しています。

山本洋介

パートナー