The Protein Design Company

Arzeda Corporation

事業内容

計算科学技術を用いて酵素などのタンパク質及び代謝経路の設計革新を行い、既存化学品の効率的なバイオプロセス化及びこれまで世の中に存在しない新規化学品の創出実現を目指しています。

マネジメントインタビュー

Alexandre Zanghellini
Co-Founder & CEO

会社設立までの経緯

私は約20年にわたり合成生物学とタンパク質設計の世界に関わっています。私が所属していたワシントン大学のDavid Baker教授の研究室にて開発された技術を社会実装するため、教授を含めて4名でArzedaを設立しました。コンピュータによる新しい触媒機能を持つタンパク質設計技術が、化学・農業・製薬など幅広い産業において変革を起こす可能性があると考えたためです。本目標実現には、集中し統制の取れた形態や様々な事業的機能を保有する必要があると考え、アカデミア組織ではなく企業化を決めました。

設立後の日々

設立当初はいわゆるガレージベンチャーでした。たった4人のメンバーで実験室もなく水道も通っていないオフィスにて開発を行っていました。不十分な設備の中で実験を進めていくのは非常に大変で多くの工夫が必要でした。その一方で、現在基盤となっている技術が築かれた場所でもあります。

今後の事業展開

Arzedaの事業戦略は2つの点で非常にユニークです。
1つは、ビッグデータを用いた計算科学とバイオテクノロジーの統合です。計算科学を用いることによって、これまでなしえなかった高効率な製品及びプロセス設計を可能にしました。さらに実際に実験を行い、設計候補の裏づけを取っています。これらの実験結果をビックデータにフィードバックすることにより、データベースが充実し設計の確実性が増強される仕組みになっています。2018年にはスクリーニングプラットフォームの処理能力を10倍に拡大し、その後も100倍、1000倍への拡充投資を目指します。

もう1つは製品ポートフォリオの考え方です。製品ターゲットとして高付加価値で初期生産量が少ない(但し将来的には大きく発展可能性)物質を選択しています。初期生産量が少ない物質はマーケットにおける必要量を製造受託期間(CMO)のみで生産することが可能です。そのため初期設備投資リスクを伴わずに市場に参入することが出来ます。高付加価値で初期生産量の少ない製品の商業化に向けて、各分野において卓越した知見を有するリーダー企業と戦略的にパートナーシップを形成し進めていくのが我々のビジネスモデルです。

UMI担当者コメント

投資実行及び投資後の経営支援担当として関与。日本・アジア地域における協業促進支援を推進しています。
Arzedaの圧倒的な量のデータベースに基づくタンパク質設計技術は、様々なバイオ化学製品が世の中に普及するための鍵技術の1つと考えています。CEOのAlexさんは聡明、エネルギッシュかつナイスガイです。彼のリーダーシップによりArzedaが世界にインパクトをもたらす企業に成長する事を願っており、UMIもそれを支えて参ります。

山本洋介

取締役パートナー

投資後の支援に従事し、日本国内における協業支援を行っております。
Synthetic biology分野においてプラットフォームを目指す技術が多く存在している中、当社は優れたin silicoでのたんぱく質設計能力により、農業・食品・化学産業・製薬分野など幅広い企業との新規酵素の開発実績がございます。今後世界のトップレベルのSynthetic biologyになることを期待しております。

沈相勲

アソシエイト