痛み測定の世界標準を創ることで「痛みの」未来を変えたい。

PaMeLa株式会社

事業内容

PaMeLaは大阪大学生命機能研究科中江文特任教授の研究成果を社会実装するために起業した医療機器開発の大学発ベンチャーです。体温であれば体温計があり、血圧であれば血圧計があるように、痛みを測る手法を医療機器として提供することを目指しています。 現在、医療で用いられている痛みの評価方法は、自己申告によるVAS(Visual Analog Scale)という主観的な方法です。私たちの方法は小型脳波計で脳波を測定し、痛み特徴量をAIで解析することで痛みを数値化する世界初の客観的な方法です。最初の適用対象は手術後の疼痛管理における医療機器としての利用から創めて、将来的には在宅での利用を視野に入れています。私たちの医療機器は適切な疼痛治療に貢献することで、痛みに苦しむ人々のQOL向上に貢献してまいります。

マネジメントインタビュー

中江文(大阪大学 生命機能研究科 特任教授)
取締役 CSO

会社設立経緯

痛みを見える化したい、それが私の目指す姿です。大阪大学生命機能研究科の中江文特任教授が現役の麻酔科医として手術後の疼痛管理に従事する中で術後の疼痛管理における医療現場の課題を熟知し、かつ疼痛分野、脳科学分野の研究者としての研究成果の社会実装の方法を検討するなかで、医療機器開発分野に造詣の深い、スタンフォード大学池野文昭先生やMedVenture Partnersの大下社長と出会い、“「痛みの」未来を変えたい。”をテーマに起業するに至りました
麻酔科医として、人の感覚の中で痛みだけが見える化できていないことで、患者様が痛みを人に分かってもらえない、上手く伝えられない、言葉を呑んでしまうために苦しむ姿を目にしてきました。医師として、患者様の痛みに気づき、理解したい、この思いを基に起業を決意致しました。

設立後の日々

AMED、NEDO、事業会社、社外の専門家などの様々な外部の皆様のご支援を受けるとともに、現在は大阪大学、福井大学との連携で治験に取り組んでおります。脳波から痛みを高精度に数値化するためのAIの改良に医師かつ研究者として数年挑んだ結果、当社は痛みを1~100の値で定量化することに成功致しました。2021年より探索的治験を実施し、鎮痛薬投与前後で痛み推定値Pain Score(PS)の有意な低下を確認することができました。2020年10月には、「第3回メドテックグランプリKOBE 」で Taisho FRC賞を、2021年1月には「第2回 スタ★アトピッチJapan 近畿ブロック」にて 野村ホールディングス賞を受賞しました。

今後の事業展開

今後は検証的治験を実施し、まずは術後の疼痛管理分野での医療機器としての上市から、さらにその先は適用範囲を拡大し痛みが生み出す多くの課題を解決しQOL向上に貢献していきたいと考えます。もし当社にご関心をお持ちいただける企業様がいらっしゃったら是非お声がけいただけますと幸いです。