UMI インタビュー

知財戦略の専門性を活かして
ベンチャー企業の成長に寄与する

ディレクター 弁理士・博士(理学)

土屋 亮

企業で新規事業立ち上げ経験、弁理士資格取得を経てUMIヘ

大学院で物理学の博士号を取得し、卒業後はコンサルティング会社、エネルギー関連企業で知財関連のキャリアを積んできました。前職では企業の経営企画部門でR&D全般の企画業務に従事し、その中の一プロジェクトであった固体電解質材料に関する新規事業の立ち上げに従事し、次世代電池のキーマテリアルになるリチウム電池の新素材を自動車会社と共同開発しました。事業計画から原料調達、設備投資、委託工場の立ち上げまで幅広く担当し、在職時に弁理士資格を取得しています。

40代を迎えるにあたってキャリアを振り返り、知財の専門性を土台に企業のインキュベーションに携わりたいとUMIに転職しました。入社の決め手は「優れた素材・化学企業の育成を通して、日本の技術力を強化し、世界に通用する産業構造を醸成する」というUMIのビジョンです。これまでの実務経験を広く活かして、素材・化学業界に貢献したいと飛び込みました。

ベンチャーの課題である知財戦略をサポート

UMIではディレクターとして、ソーシングチームのマネジメントを担当し、自身でも案件のソーシング及び投資検討を行っております。また、投資先2社の社外取締役にも就任しています。UMIの特徴は、投資先メンバーの一員として参画する「ハンズオン支援」です。UMIはExitまでの限られた時間で、投資先の企業価値を高めるために、経営者に伴走しながら組織・財務体制を整え、開発や営業活動を支援しています。

さまざまな投資先に関わる中で課題に感じるのは、私の専門に係わるところではありますが、知財戦略の知見が不足していることです。技術系のベンチャーにおいて知財戦略は必須です。特に特許権は出願から権利取得まで数年を要し、費用も労力もかかります。大企業では企業知財の専門人材が存在し、その中で特許取得や知財権の活用に関する成功事例も失敗事例も蓄積していけますが、ベンチャー企業にはそもそもの専門知見が無く、企業知財専門の人材を抱える余裕も無いケースがほとんどです。知財課題は、事業や開発と違って、すぐに問題が顕在化しません。十分時間がたった後に問題が顕在化し、大きく失敗してしまうと、その時になって後戻りは出来ず、これまでの労力と投資が水の泡になってしまう事もあります。

そこで、知財戦略に関する提案を行ったり、勉強会を開催したりして投資先の知財リテラシーを向上させたり、場合によっては個別実務のアドバイスや特許出願に関する壁打ち、陥りがちなミスなど、これまでの実務経験を踏まえたアドバイスを多面的に行っています。知財専門人材に困るケースも多いため、ベンチャーに適切な特許事務所探しやリファラルに人材紹介を行うこともあります。

さまざまな専門性を活かし、素材・化学産業に貢献出来るUMI

前職のエネルギー関連企業に在籍していた際、「自分に子供が生まれ、育てていく中で、この子たちに何が残せるのかな」と考えたとき、市場が縮小していき、研究開発でも世界から遅れをとりはじめた日本の抱える課題の大きさを考えるようになりました。当時の働き方では、短期的思考になりがちで、社会課題に挑戦するような大きな絵を描くことなく、目の前の与えられた業務を黙々と続けていく日々からは創造的な未来が生まれないことに危機感を感じました。UMIでは未来を大きく創造しようとする様々なベンチャーを支援しながら、未来を大きく切り開く仕事をしていきたいと考えています。

VCや素材・化学業界のスタートアップはまだまだ人材不足です。知財やファイナンスはもちろん、エンジニアのバックグラウンドを持った技術面を評価できる専門人材や博士号取得者もまだまだ少数です。最近ではCVCを立ち上げる大企業も増え、専門領域に優れた人材を送り込むケースも増えていますが、世界に通用する産業構造を醸成するには、専門スキルを持ったスペシャリストが業種や職種の垣根を超えて集まり、ベンチャーの成長を支える“人材エコシステム”のニーズが今後高まっていくと思います。UMIはさまざまな専門人材を登用しているので、興味のある方は是非チャレンジして下さい。

これからもワクワクするようなベンチャー、起業家、研究者に出会っていきたいです。専門知識も大事ですが、「日本の素材・化学産業を盛り上げたい」という熱い思いを持つ方と一緒に働きたいですね。