熱可塑性樹脂成形の未来を先進のSOLUTIONSで照らす

株式会社micro-AMS

事業内容

今日の樹脂成形加工では、量産性に優れる「射出成形」が大量生産を是とした経済圏においてデファクトスタンダード技術です。しかし、その生産には非常に高価な金型が必要であり、多額の先行投資負担が発生します。そのため、数量が限られる少量多品種の生産においては、経済性が成り立たない課題が存在します。

micro-AMSが展開する「光成形」は、少量多品種生産向け技術であると同時に、射出成形品並みの品質性能を達成できる唯一の樹脂成形技術です。光成形の技術は樹脂にマイクロ波を照射し溶融させ、目的の形に成形することが出来、射出成形における金型の代わりに、「ゴム型」を用いる点が特徴です。

事業モデルは、光成形を用いた樹脂受託成形サービス。主な活用シーンは試作品や少量多品種製品、補給部品(故障・事故等による交換需要に対応)になります。

マネジメントインタビュー

栗原 文夫
エグゼクティブフェロー(本技術発明者・元取締役CTO)

発明から会社設立の経緯

光成形技術の発明は、取引先からの1本の電話でした。

当時、私はJSR株式会社の樹脂部門を担当するテクノポリマー株式会社(現テクノUMG株式会社)の研究所にいました。真空注型(3Dプリンタでモデルを転写しゴム型を作成、ウレタン樹脂をゴム型に流し、成形品を生産する技術)ではウレタン樹脂しか出来ないが、世の中のニーズはプラスチック=熱可塑性樹脂のため、樹脂メーカーなら対応出来ないのか、という内容でした。その声に応えたいと、商社と共に開発をスタート。あらゆる電磁波、光、高周波などで試行錯誤している中、深夜の通販番組で紹介されていた電子レンジで魚が焼けるというものから、これだ!と閃きました。

それがマイクロ波を使った樹脂成形の技術です。課題であったコストも抑えられたため、完成した成形装置を販売すると多くの方に購入いただけました。

しかし、大半がその後お蔵入りになっていました。理由は、簡単に、早く安く、そして精度の高いものというニーズに対応出来ていなかったためでした。2つの間違いに気付き、それが転機になり、micro-AMSが誕生しました。1つは、簡単に、射出成形と同レベルの製品が出来るものが求められていたのに、それに対応していなかったことです。当初、購入者=「成形の専門家」であり、彼らが光成形技術を発展させてくれると思っていました。しかし、それは結果的に間違いで、お客様が求める使い方まで私たちが提案できる技術の確立が必要である事に気付いたのです。

2つ目は対象市場です。それまで試作メーカーや設計部門に装置を販売していましたが、成形品の品質まで保証できる技術を確立すれば、製造分野への参入が可能となり、対象とするマーケット規模も拡大することに気付けたのです。その頃、JSRの中で新規展開の話があり、2018年10月micro-AMS設立に至りました。

設立後の日々

研究に立ち返ってのスタートでした。研究のスピードは以前の4~5倍速くなりました。やれることがやれる、一気に進められるのは、最高に楽しいです。研究に対する投資の必要性、大切さを理解いただける環境にあることを嬉しく思います。

研究部門、製造部門、それぞれ人員も徐々に揃ってきました。ここから一緒に、世間で無理だと言われていることを実現していきたいと思います。失敗しても良いから、失敗を恐れずとにかくやってみる、出来る理由だけを考えて、前を向いて進んでいく雰囲気を、社内全体で作っていこうと取り組んでいます。共同開発、協業のお話も各社様と徐々に進んでいます。

今後の事業展開

製造業界で金型保管が課題になっています。部品メーカーでは保管している金型の80%が、その金型で生産する部品が年間10個以下という状況です。補給部品を生産するのに量産同様の射出成形装置を使うのが通例で、量産ラインを停止するため機会損失が発生し、コストもかかっています。

日本のものづくりの現場で起きている課題に、弊社の光成形技術が革新をもたらし、やがてはグローバルスタンダードになることを目指します。加えて、成形加工の新しい技術により、量産ではなく、付加価値の高いものづくりを日本に普及させ、日本のものづくりを世界へ羽ばたかせたいと考えます。その一助になれるよう、技術を進化させ、実証していきます。

UMI担当者コメント

会社設立時から、バックオフィス(経理・財務・法務)を中心にサポートして参りました。また、事業計画・開発計画の立案・策定に携わっています。「光成形」という生産プロセスを売るための最適ビジネスモデルを構築するべく、会社として取るべき経営指針の決定に取締役として関与し、企業価値の向上に貢献しています。

呉 洋海

プリンシパル