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投資先

RITEバイオプロセスにより
バイオリファイナリーの創出を目指す

はじめに

Green Earth Institute(GEI)は、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)発のベンチャー企業です。「RITEバイオプロセス」と称する独自の高効率生産プロセスを強みに、再生可能資源であるバイオマスを原料として、グリーン化学品やバイオ燃料を製造する新規産業「バイオリファイナリー」の中核企業となる事を目指しています。
GEIの代表取締役社長である伊原智人氏にお話をお伺いしました。

会社設立までの経緯とバイオリファイナリー創出への想いについて

GEIは、RITE所属であった本技術発明者の湯川英明氏とベンチャーキャピタルの東京大学エッジキャピタルがRITEバイオプロセスの実用化について意気投合して2011年に企業化されました。私は創業者ではなく、通商産業省(現経済産業省)出身で一旦民間企業勤務を経て、東北大震災後の原発・エネルギー政策見直しに関わるため国家戦略室に入りました。そこで策定したグリーン産業に関わる提言を自ら実行する役目を果たしたいとの想いに至り、お話を戴いていたGEIに2013年に参画しました。
現在、化学品の9割程度は原油由来ですが、原油使用が環境問題や資源紛争問題の原因となっていますので、この構造を逆転させ化学品の9割を植物由来としたいとのビジョンを持っています。まずは当社の技術の得意な所から着手していますが、様々な植物由来製品を安く作る事により世界の常識を変えていきたいと考えており、この挑戦がGEIに参画した大きな動機です。
伊原智人氏

設立後の日々

最初の商用生産成功時が最も印象に残っています。RITEの技術は数々の賞も受け期待をされていましたが、「技術は面白いが商用設備で生産するにはハードルが多くて無理では」とネガティブなコメントも受けていました。設備確保の為の資金がなく困っている中、幸運な事に設備を保有するパートナー企業が見つかり、その企業とアミノ酸を生産すべく設備のある中国に2週間程滞在しました。微生物の発酵工程は時間が掛かるため泊り込みの日々が続き、プラントから夜空を見上げながら「本当に作れるのか・・・」と不安が増していく中、実際に出来上がった瞬間の感動、そして、それを製品化しお客様や株主にご覧戴いた時の嬉しさは格別でした。

今後の事業展開

RITEバイオプロセスの特徴は大きく2つで、1つは様々な原料が使えること、もう1つは様々な製品を効率的に生産出来る事です。
原料については、一般的なバイオプロセスでは食糧にもなるコーンやサトウキビを原料としますが、RITEバイオプロセスで用いるコリネ菌という微生物は通常捨てられている茎や稲ワラなどに含まれる糖を原料として使えます。これにより食糧との競合問題回避や調達コストの低減が期待されます。
生産については、コリネ菌が持っている遺伝子を組替える技術が鍵になっています。同じコリネ菌でも専らアミノ酸を作る菌にしたり、専ら乳酸を作る菌にしたり、様々な製品を作る様に設計出来ます。また、効率生産の基になっているのは、コリネ菌の非増殖依存型の性質です。通常の菌は空気を好み自ら増殖する事で有用物質の代謝を増やしていきます。この場合、菌の増殖過程で多くのエネルギーが消費され高コストになりますが、コリネ菌の場合は空気を入れずに菌の増殖過程が止まっても有用物質の代謝をし続ける特性があり、全てのエネルギーを有用物質生産に費やせるため効率的です。
こうした特徴を活かして、これまで他社がなかなか実現出来なかった様々な製品のバイオ化を目指していきます。技術開発型のベンチャー企業は収益曲線における長いマイナス期間にどうしても苦労しますが、GEIはようやくその曲線の上昇局面に移行し良い循環に入りつつあると捉えています。来期にはプラスに持っていける様に全社一丸で取り組んで参ります。
  • <GEIラボ>

    GEIラボ
  • <コリネ菌>

    コリネ菌

投資担当者コメント

山本洋介・池田竹雄
GEIのRITEバイオプロセスは、長い代謝工程が必要な化学品を効率的に生産出来ますので、今までにないグリーン化学品を続々と生み出していく期待を持っています。GEIが目指すサステイナブル社会に必要なバイオリファイナリー創出をUMIも支援して参ります。 山本洋介・池田竹雄
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